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今日、施設内を歩いているとピアノの音色が聞こえてきました。近づいて見るとお年寄りと一緒に男性スタッフがピアノを弾いているではありませんか。「○○さん、やるね~!」と声をかけると「ええ、まあ」と照れくさそうです。その後、もう一度そこを訪れると今度は同じチームの女性スタッフがピアノを弾きお年寄りと一緒に歌を歌っていました。通所サービスでも女性スタッフがご利用者と一緒にピアノを弾いたり、トランペットを吹いたりと身近なスタッフが色々な才能を見せてくれます。
私たち老人福祉施設に勤務するスタッフは、まず第一にご利用者本位の介護・看護を行うことが大切な仕事ですが、仕事上のスキルだけではなく、介護とは直接関係のない技術や才能を発揮することで、より幅の広いサービスを提供できているのだと思います。なんぶ幸朋苑でも四季折々の花が咲くすばらしい庭園を手入れする人、大柄な体からは想像もつかないくらい器用な紙細工でプロ並みのディスプレイをする人、達筆な筆さばきでイベントの案内を書く人、透き通った声でゴスペルを熱唱する人など仕事の中で自分の持つ感性や才能を発揮している人がたくさんいます。
他の施設にもプロ並みの写真家や音楽家、外国語が堪能な人など、隠れた才能を備えながら仕事をしている人が多いようです。同じようにご利用者の中にもたくさんの隠れた才能があるはずです。スタッフもご利用者も自ら手を上げて披露される方はほとんどいないので、何かのチャンスでこれらに光をあてて、皆さんの前で披露していただき以前培った技能や才能を再度認めてあげることで新たな「生きがい」を提供できるものと思います。ご利用者に老後を有意義に過ごしいただくためには、このように隠れた才能の掘り起こしをしてあげることも大切なのではないでしょうか。
そういえば、3年前ドキュメント番組で、昔英語教師をされていたおばあさんが、スタッフのアイデアで施設内で他の入所者や職員に英語を教えるようにしたところ認知症状が消えたと放送していました。今までの昼夜逆転や徘徊もなくなり、日中、次回の教材作りに忙しいおばあさんの顔はとてもうれしそうでした。このように職員同志、ご利用者同士でいろんなことを教えあう施設ってすばらしいですね。ボランティアや業務でご利用者にサービスを与えるだけではなく、教えていただくことも大切なことだと思いました。
(T村)