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先日、NHKニュースで31年ぶりとなる「つま恋」ライブを報道していました。衛星放送での放送予定もあるとのことですがNHKが芸能ネタをするのはとても異例なことでつい見入ってしまいました。内容は「吉田拓郎(60)とかぐや姫の3人が23日、静岡県掛川市のリゾート施設「つま恋」で31年ぶりに野外コンサートを行った。75年に12時間に及ぶオールナイトライブで伝説をつくった4人の平均年齢は27歳から58歳になったが、彼らの歌とともに生きてきた団塊の世代中心の3万5000人が駆けつけ、8時間にわたる再会の宴(うたげ)をともに楽しんだ。」というもの。
コンサートの参加者の平均年齢は49歳で団塊の世代の方はもちろん、若い人やご老人まで幅広く楽しまれたようです。中には涙ぐむ人も多くいて、インタビューで「この歌をよく聞いた31年前の様々な光景が目の前に甦った。明日からまた頑張れそうな気がします。」とのことで、まさに音楽療法そのものです。
その音楽療法にも様々な考え方があり、静かなクラシックを聞いて精神的にリラックスして自然治癒力を高めるなどの効果を期待するものもあるそうですが、以前、日野原重明先生から聞いたお話では「単にクラシックを聞けばいいというわけではなく、その人が生きてきた時代背景を考えて、一番輝いていた時に一番よく聞いていた曲が脳に刺激を与え、付随する記憶が甦って精神的に活性化する。」とのことでした。古きよき時代を回顧する懐メロが恒常的に好まれるのはこのためなんですね。
老人施設ではお年寄りの好きな曲ということで、年代に関係なく戦前・戦中の曲を聴いていただくことが多いようですが、高齢化が進み親子以上に年が違う幅広い年代のお年寄りが一緒に入所する現在では、皆さんが懐かしく聞いていただける「懐メロ」も多種多様になってきているのでしょう。「つま恋」世代のみなさんに戦前・戦中の曲を聞いてもらっても、その人たちにとっては「懐かしいメロディ」ではなく「懐かしくないメロディ」なので心を癒す音楽療法にはなりません。
なんぶ幸朋苑ではお一人お一人の状態に合わせたチームケアを行っていますので、ご利用者が懐かしいと感じていただける曲は何かをご本人ご家族と話し合った上で居室でおかけするような環境作りに期待したいものです。
私が施設入所するころには居室で「松田聖子」や「ヘビメタ」を聞くおじいさんになるのでしょうか・・・。
(T村)