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人間は年をとると色々な症状がでてくるようになります。「しわが増えた」「白髪が増えた」だけでなく「最近、物をよう忘れる」「細かい文字がみえんようになった」など、施設職員も人ごとではなく等しく老化現象は起こります。昔と比べ平均寿命が延びた現代といえど、やはり老化現象は年相応に発生していきます。
そんな昨今「アンチエイジング」(「抗老化」「抗加齢」)という言葉が脚光を浴びています。最近ではテレビやラジオ・新聞・雑誌などで老化現象に対抗する様々な方法や商品が紹介されているようです。「しわ」・「しみ」といった代表的な老化現象でも、しわの中に入り込んで、しわの表側に平らな皮膚を形成する人口皮膚クリームや、しみ自体を消してしまうレーザー照射器など、ファンデーションなどで「隠す」ものではなくなっています。すごいですね。化粧品でも加齢に対抗すると謳った商品がよく売れるそうです。
確かに年はとりたくないですね。でも、加齢でしわやしみができても度を越えて対策をとるのはいかがなもんでしょう。というか、その人らしさを失うくらいのアンチエイジングにはやはり違和感を覚えてしまいます。その人にとってのコンプレックスは周りから見て意外となんてことなかったりするもんです。
かつて黒人という人種に「アンチ」したマイケル・ジャクソンは、多額の手術費を払ってあこがれの「白人」になりました。しかし肌が白く、鼻が高くなったマイケルは「スリラー」「Beat it」で人気を博した時の顔ではなく、イメージの違いから新たなヒット作にも恵まれなくなり、事実上引退することになりました。人気衰退の途中でB級映画に出演したりと話題を集めましたが、既に時の人ではなくなって変な裁判まで起される始末です。
お隣、韓国の大統領も支持率が下がったため二重まぶたになって人気回復を図りましたが、とたんに人気がさらに落ち始め(対北政策の失敗・ほかの失政もありましたが)、ついには日本に強行姿勢をとることで人気の回復を図ろうとするまでになってしまいました。要するに過度なアンチの結果「その人らしくなくなった」ということです。
以前、赤瀬川原平の「老人力」という本を読みました。「老人力」とは加齢による衰えを肯定的に捕らえる言葉で、慣用句として「最近あなた耳が遠くなったね」「ほう、ワシにも老人力がついてきたようだ」というように使うそうです。1998年流行語大賞も受賞したこの言葉は、「老い」を逃げるのではなく真っ直ぐに見つめ、納得し、受け入れることから始まるのだと思いました。以前、日野原重明先生が講演会で「なんと、人間の死亡率は100%なんですよ!」といって会場を沸かせておられましたが、残った人生を見つめることで、はじめて前向きに生きることができるとの言葉に「しわ・しみ」なんて小っさいことだと思いました。なんぶ幸朋苑のご利用者はアンチエイジングなんてどこ吹く風、みなさんが自分らしく過ごしておられます。
先日、ケアハウスでご利用者が顔パック&エステをしていただいている写真を見ましたが、皆さんはみな楽しそうで、久しぶりのお化粧に大満足の様子です。しわやしみを消す最新技術がなくても、パックで水分たっぷりの笑顔が一番輝いているなあと思ったのでした。
(T村)