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今日、仕事をしていると隣のデイサービスから懐かしいハーモニカの音色が聞こえて来ました。初めはBGMかと思って聞き流していましたが、曲によってはまだ練習中なのか途中で吹き直されたり止まったり・・・。しばらくしてからご利用者の演奏だと気付きましたが、一度は聞いたことのあるあの曲この曲に仕事も忘れ聞き入ってしまいました。デイルームを見ると吹いているのはご利用者のおじいさんで、周囲のご利用者も何人か目を閉じて聞き入っておられました。中には懐かしい曲で昔を思い出されたのか少し涙ぐんでいる方もおられました。なんともいえない素朴ないい雰囲気だったので、このおじいさんにお話を伺おうと声をかけさせていただきました。
そのおじいさんの名前は佐藤一郎さん(91歳)で、50年前に趣味で始めたハーモニカを今でも続けておられるとの事。ただ、ご高齢でもあり体調が良いときでないと吹けないということで、「今日は体調が良かったからハーモニカを持って来ました」と言っておられました。あるお医者さんによるとハーモニカは腹式呼吸を続けることから健康にもいいとの事で、佐藤さんは長年の趣味を通じて健康を保っていらっしゃるようで、本当にお元気そうでした。ハーモニカを吹くことで昔の光景や出来事が思い出されたのか、昔、九州に家族旅行をされたときのお話や、会社勤めをされていた頃のお話など、短い時間でしたが色々お話していただきました。ご自宅では家族に気を遣って「みんな出て一人になったときに練習してます」とのことで「他のご利用者に自分のハーモニカを聴いていただくことがうれしい」と笑顔でおっしゃっていました。これからもお元気でお過ごしいただき、デイルームでのハーモニカ演奏を続けていただきたいと思います。
ところで「おじいさんのハーモニカ」という外国の有名な絵本がありますが、その中にもおじいさんがハーモニカの音色を聞いてふるさとの景色や鳥のさえずりを思い出すシーンがあります。国は違ってもお年寄りにとってハーモニカは「過去と現在を結ぶ架け橋」なのかもしれませんね。
p.s. 今回、写真、氏名の掲載をご承諾いただいた佐藤様、ご家族様に心より感謝申し上げます。ありがとうございました。
(T村)