忍者ブログ
鳥取県米子市の老人福祉施設 なんぶ幸朋苑のスタッフやご利用者が参加するブログエッセーです。管理人やご利用者のエッセー、施設からのお知らせなど、このブログでなんぶ幸朋苑を身近に感じていただけたら幸いです。
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

今年も7月25日から27日の日程で、米子市と姉妹都市の韓国江原道束草市から38人のホームステイ団がやって来て、私も通訳依頼を受け、26日と27日同行してきました。

その行程の中で、「弓ヶ浜展望駐車場付近の清掃体験」というのがあって、通訳としてはとても難しい選択を迫られました。流れ着くゴミの中には、ハングルが書かれているものも多く、地元の人がいつも苦労して拾い集めていることを韓国側に伝えたいという主催者側の思いと、楽しい思い出を作りに来た子供たちに海で遊ばせるのではなく、なんでゴミ拾いさせるのか?という引率者側の思いがぶつかるからです。

以前、その企画を聞いた時点で相手側の反応は充分予想できていましたが、直前になって予想通り、相手側からこの清掃についての異論が出て来ました。13時半にはマスコミ2社と現場で待ち合わせになっており、早く収拾しなければいけません。

色々やり取りした結局、「この清掃作業を通じて、同じ海を共有する者同士、一緒に環境問題を考えるきっかけになればいいと思い計画されたものなので了解してください。」という説明でようやく納得され、ようやく清掃作業が行われることになりました。


(弓ヶ浜にて ↑クリックにて拡大)

http://www.chukai.ne.jp/~real-s/news/070726.rm  (←中海テレビ報道:再生はrealplayer必須)

実際に清掃を始めてみると当初予想よりも多くのゴミが流れ着いており、およそ30分で50kgのゴミが集まりました。
花火の燃えカスや空き缶など日本のゴミが一番多かったのですが、所々ハングルや中国語の書いたゴミもあり、学生たちはとても驚いた様子で、テレビカメラに向かって「きれいな海にゴミを捨てないで欲しい」と訴えていました。

一時は実施するかどうか不透明になった清掃作業でしたが、やはりやって見てよかったと思いました。
こうほうえんの職員指針「互恵互助」にも、「まずやってみる」ことの大切さについて書いてありますが、目の前の困難も実際にやってみると、案外簡単にできたりするものです。
結果的には束草市側の代表も「学生にとってよい経験になった」と好意的でした。
「評論家」にならず「まず、やってみる!」これこそ、真の国際理解を深める極意だと思ったT村なのでした。

(T村)

PR

人間は年をとると色々な症状がでてくるようになります。「しわが増えた」「白髪が増えた」だけでなく「最近、物をよう忘れる」「細かい文字がみえんようになった」など、施設職員も人ごとではなく等しく老化現象は起こります。昔と比べ平均寿命が延びた現代といえど、やはり老化現象は年相応に発生していきます。

そんな昨今「アンチエイジング」(「抗老化」「抗加齢」)という言葉が脚光を浴びています。最近ではテレビやラジオ・新聞・雑誌などで老化現象に対抗する様々な方法や商品が紹介されているようです。「しわ」・「しみ」といった代表的な老化現象でも、しわの中に入り込んで、しわの表側に平らな皮膚を形成する人口皮膚クリームや、しみ自体を消してしまうレーザー照射器など、ファンデーションなどで「隠す」ものではなくなっています。すごいですね。化粧品でも加齢に対抗すると謳った商品がよく売れるそうです。

確かに年はとりたくないですね。でも、加齢でしわやしみができても度を越えて対策をとるのはいかがなもんでしょう。というか、その人らしさを失うくらいのアンチエイジングにはやはり違和感を覚えてしまいます。その人にとってのコンプレックスは周りから見て意外となんてことなかったりするもんです。

かつて黒人という人種に「アンチ」したマイケル・ジャクソンは、多額の手術費を払ってあこがれの「白人」になりました。しかし肌が白く、鼻が高くなったマイケルは「スリラー」「Beat it」で人気を博した時の顔ではなく、イメージの違いから新たなヒット作にも恵まれなくなり、事実上引退することになりました。人気衰退の途中でB級映画に出演したりと話題を集めましたが、既に時の人ではなくなって変な裁判まで起される始末です。

お隣、韓国の大統領も支持率が下がったため二重まぶたになって人気回復を図りましたが、とたんに人気がさらに落ち始め(対北政策の失敗・ほかの失政もありましたが)、ついには日本に強行姿勢をとることで人気の回復を図ろうとするまでになってしまいました。要するに過度なアンチの結果「その人らしくなくなった」ということです。

以前、赤瀬川原平の「老人力」という本を読みました。「老人力」とは加齢による衰えを肯定的に捕らえる言葉で、慣用句として「最近あなた耳が遠くなったね」「ほう、ワシにも老人力がついてきたようだ」というように使うそうです。1998年流行語大賞も受賞したこの言葉は、「老い」を逃げるのではなく真っ直ぐに見つめ、納得し、受け入れることから始まるのだと思いました。以前、日野原重明先生が講演会で「なんと、人間の死亡率は100%なんですよ!」といって会場を沸かせておられましたが、残った人生を見つめることで、はじめて前向きに生きることができるとの言葉に「しわ・しみ」なんて小っさいことだと思いました。なんぶ幸朋苑のご利用者はアンチエイジングなんてどこ吹く風、みなさんが自分らしく過ごしておられます。

先日、ケアハウスでご利用者が顔パック&エステをしていただいている写真を見ましたが、皆さんはみな楽しそうで、久しぶりのお化粧に大満足の様子です。しわやしみを消す最新技術がなくても、パックで水分たっぷりの笑顔が一番輝いているなあと思ったのでした。

(T村)

カレンダー
05 2025/06 07
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30
バーコード
カウンター
アクセス解析
忍者ブログ [PR]
○photo by hanamaru.○